オペラの泉 | 人生を楽しく生きるために!

魔笛の映画を見ました。

先週の金曜日17日は前から見たいと思っていましたモーツァルトの「魔笛」が映画化され、岡山でも上演されているということで、見に行ってきました。
その前週の土曜日に行くつもりでいたところ、映画館の上映時間を調べましたら10時45分から毎日1回しか上映していないことがわかり、毎日1回の映画館など初めての経験だったのと、もう上映打ち切り間近で、ウィークエンドに見に行く機会がないことでちょっと落胆していました。
しかし、この機会を逃すともう2度と映画館では見られないのではないかと思い、思い切って最終日の17日に夏休みをとって夫婦同伴で見に行ったわけです。
始めは舞台が第一次世界大戦であり、どんな風にケネス・プラナー監督が難しい魔笛を料理しているのか、ちょっと楽しみでもあり、心配でもあったのですが、結論として、今までにDVDなどで見たものより一番良いとも言えるぐらいの迫力と仕上がりで、わざわざ休みを取ってみた甲斐があるというくらいに感動しました。
もともと魔笛の筋はストーリー的には不可解な部分があるもので、そのようなことは気にせずに、全編美しいメロディーにあふれたミュージカル映画として割り切るのが大切で、そういう目で見ていると、本当に楽しめる素晴らしいものです。
音楽、また随所の美しい光と色が織り成すシーンも素晴らしく、これでもか、これでもかという音楽、映像の連続で、冗長すぎて退屈するというひまもないくらいに楽しむことが出来ました。
どんなに良いオペラ作品などでも、途中には退屈するようなメロディーなどがあるものですが、魔笛だけはどうしてこんなに切れ目なく美しいメロディーが連続してあふれてくるのだろうと、改めてモーツァルトの偉大さに敬意を表さずにはいられません。
俳優はオペラ歌手を配しているようですが、あまり新しい歌手を知らない私にはなじみのない方ばかりでした。しかし、ザラストロ役のルネ・パーペの顔は、2006年のザルツブルグ音楽祭の特集で、「ドンジョバンニ」の「カタログの歌」を歌っているのを何度も見ていましたのでたいへん親しみやすい気がしました。ルネ・バーべはオペラの舞台ではなく、コンサートの歌手として歌っていたのですが、この映画の方が歌もうまく、低音の迫力が一段映えているような気がしましたし、また非常に落ち着きのある、また素晴らしい人格者のザラストロ役をうまく演じていたと思います。
この映画を見て一番感動したのは、この魔笛のメッセージが、まさに今の現在に必要としていることであり、モーツァルトが今日の世界的状況を透視して、まさに我々のために創ったのではないかという思いに至らせてくれたことです。
2012年に至るまでのまさにこの時期は、精神の高みに上るため、そしてパラダイムシフトを経験せざるをえない、何万年に1回の大切な時期ですが、この今こそ、この魔笛に描かれた試練を通過し、新しい精神世界に脱皮しなければならない時期なのだということを実感させてくれるものでした。。
この映画もみにシアター系の映画としてかなりヒットしているようですが、この映画を通して改めてモーツァルトの偉大さと魅力に、そして「魔笛」を好きになって愛と平和がかけがえのないことにたくさんの人が実感してくれるようになれば素晴らしい世の中になるでしょう。
何とかそうなって欲しいものですね。

ベルイマンの「魔笛」

夕方に以前から保存してあったビデオでも見ようかなと思い、ビデオ保存ラックを探っていますと、もう何ヶ月も、岡山の家も、東京の家もあらゆるところを探したにもかかわらず見つからなかったスウェーデンの映画監督ベルイマンが演出した、モーツァルトの「魔笛」の映像版がふと出てきました。
 
あれほど探しても出てこなかったのにびっくりですが、さっそく予定を変更して、ビデオを見ると同時にハードデイスクに保存することにしました。
もう私の所蔵する「魔笛」も、購入した2本のDVDを含めて、バレエ版の「魔笛」など全部で
5本程度になってしまいましたが、いろんな「魔笛」があり、それぞれ特色があって演出が違えば全く印象も違うので、たいへん楽しめます。
ところで、ベルイマンの監督の「魔笛」ですが、これは私が「魔笛」の映像に触れた最初のもの、といってももう30年近く前にテレビから録画したものと思います。何とかもう一度見たいと思っていたものの見つからず、かといって購入すれば5000円以上もするものなので、見つかってラッキーでした。
導入の「前奏曲」の部分は、このオペラを観劇する人々の表情を延々と映し続け、少々退屈さを覚えます。後で子供たちなど、この表情の変化が生きてくるのですが、ちょっと長すぎるような・・・また、全体的に、通常のオペラ劇場でのライブ映像に比べて胸から上のズームアップが多く、ちょっと変化に欠けるのと、アリアをずっと胸からのアップだけでみさせられると重苦しいような気がしました。しかし、すべての配役が美男美女ぞろいで、アップに耐えられるというか、3人の女王の従女などは他のものとちがってたいへん魅力的な女性ばかりで、そういう意味では楽しめる作品です。
このようにアップが多いだけに少ししつこさが目立つのですが、だんだん見続けていくうちに、これらの欠点が逆に大きな効果を生み出し、どんどん劇に、主人公たちの感情に引きずり込まれてしまうことに気づきました。
 王子のタミーノが持つ魔笛およびパパゲーノが持つ銀の鈴はどんな悪人や獰猛な動物の心も変えてしまう魔法の笛と鈴なのですが、これによって幸せな世界が訪れる場面では、今までにどの「魔笛」でも感じたことのない感動を感じることが出来ました。
随所にこのオペラを見ている子供たちの感激の表情が出てくるのですが、時にはハラハラドキドキし、また最後のハッピーエンドでの本当に良かったなと安堵する表情などを見ると、小さい子供にも学芸会のようにこういうオペラを見せたら、モーツァルトの美しい音楽にも楽しみながら触れることも出来、たいへん意義があるのではないかなと思いました。
この魔笛は、フィガロなど他の素晴らしいオペラ以上に、始めから終わりまで息をつかせぬ素晴らしいモーツァルトメロディーの連続です。オペラが敷居が高いとか、退屈なのでは?と思っておられる方々、また子供たちにも、オペラとはこんなにも楽しいものであるということを知ってもらい、またモーツァルトの音楽の素晴らしさを知ってもらうには最適な映画と思います。

心もとろけるメリーウィドウワルツ

最近の土・日は、昨年建設されたばかりの、県庁の近くにある岡山県立図書館へ行くことが習慣になっています。欲しい本もまずは図書館にあるかどうかを確認し、図書館にある本はまず借りて読むのがもっとも効率的です。図書館であれば買おうか買うまいか迷った本でも迷わず気楽に借りれるのが最高にありがたいです。
どうしても繰り返し読みたい本は、さらに自分で購入すればいいので、購入して失敗を最小限に防げるのもうれしいですね。
また図書館にはオペラのDVDやCDもたくさん所蔵されていますので、たいへん助かります。しかし、著作権の関係から、管内貸し出しのみのものが多く、家で見ることが出来るものは限られているのが残念なのですが・・・。
オペレッタの「こうもり」は何度見ても飽きない、楽しいエンターテインメント劇ですが、このオペレッタがあまりにも楽しいので、ほかにもいいオペレッタがないか探してみたのですが「メリーウィドウ」が面白いとのことでした。
よく知られている「メリーウィドウワルツ」もそのオペレッタで演奏される曲のひとつですが、DVDやCDが少ないのは意外でした。また有名な割には「スケーターズワルツ」などと混同して、どうにもメロディーが浮かんできません。あれこれインターネットで探してやっと1993年にオーストリア、ウィーン郊外のメルビッシュの湖上で開かれたライブ版が出ているのがわかり、注文することにしました。
到着を心待ちにしていましたが、「こうもり」とはまた違った素晴らしいDVDでした。オペラやオペレッタは「椿姫」や「ラ・ボエーム」などのように悲劇のヒロインが病気で倒れたり、フィガロの結婚などのように、昔のヨーロッパ貴族の浮気話などが大半で、あまりにもストーリーの単純な話とか、荒唐無稽なものもあったりするので、映画などのようにストーリーとしての感動や美しさはのぞむべくもありません。
しかし、筋書きは期待せずに歌手の歌の表現や、演出の楽しさを味わうのはオペラやオペレッタならではの醍醐味ですね。
さて「メリーウィドウ」ですが湖上でのライブということで普通の劇場と違って開放感がありまた広々とした舞台で、まわりに船が浮かんでいたり幻想的で素晴らしくロマンチックなものです。
また「メリーウィドウワルツ」に乗ってハンナとダニロがダンスする場面では感動で心ががゆさぶられる思いをしました。子供のころから聞いていたメロディーも思い出し、場面の美しさとあいまって素晴らしく気持ちのよい気分にひたることができます。
これこそ音楽の醍醐味ですね。なんということのない単純なメロディーですが、転回部の半音階の流れなどは何度聞いても心がとろけそうになります。
ぜひとも一度ご覧になることをお勧めします。きっと時を忘れて夢見心地になってしまいますよ。

再び・こうもり-すべてはシャンパンの泡のいたずらー

こうもりー2本やインターネットなどでDVDの鑑賞評などを見ていますと、どれも見たくなるオペラばかりでついつい注文したくなります。
最近は昔のLPレコードをジャケットとか帯とかを含めて、CDに復刻しているものが次々発売されているそうで、奥さんには内緒で注文してはそれをながめてひとり悦に入っているという同じ会社の社員がいますが、その気持ちがわかるような気がします。この間も一緒に仕事で一泊したのですが、家族に電話をしているのを聞いていますと、留守中にCDか何かが送られてきているようで、家族から何かと聞かれて「おとうさんのだから、空けずにそのまま置いておくように・・」とあせって命令していました。
私も全く同じ状態で、次々とインターネットで注文したDVDやビデオが届くので、「また何か来たよ」と家内は心配しています。オペラのDVDなども、昔はLD(レーザーディスク)で画像入り映像として発売されたものが初めで、そのころは画期的な鑑賞媒体であったようです。
今のDVDも、そのころのLDがが復刻されたり、限定版として再度発売さされたりしているものがほとんどのようですが、昔のLDはLPレコード版のようなレーザーディスクで、一枚60分程度しか入らなかったようで、オペラは2時間や3時間というのが普通ですから2枚3枚と必要であったでしょうし、値段も1万数千円というのが相場であったようです。そんなに高いものですとそうそう購入することもできません。しかし、今はDVDでも6千円程度が高い方で、3千円程度の安いものがたくさん発売されているのでたいへん便利になったものです。またレーザーディスクではコピーするのが面倒ですが、DVDはコピーが簡単にできるのはありがたいことですね(コピーといっても、もちろん用途はいざというときのバックアップ用ですが・・・・)。
さて、ほしいものが続出して困っていますが、前に一度カルロス・クライバーの「こうもり」の楽しさについて書きましたが、同じ「こうもり」で何とテノールのドミンゴが指揮をしたロンドンのコヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウスでの録画ものがあるとのことでした。これは主役のアイゼンシュタインがヘルマン・プライ、ロザリンデがキリ・テ・カナワという私がもっとも好きな最高のキャストで、こんなに素晴らしい配役のものはなかなか聞けないのと、ドミンゴが役者の演技につられて自ら歌いだしてしまうという場面もあったりということで、またまたどうしてほしくなってしまいました。インターネットでちょうど2枚セットで買うと3、100円という出物があったのですぐさま売り切れないうちに購入してしまいました。
この「こうもり」もクライバー盤に勝るとも劣らずすばらしいもので、同じ「こうもり」といってもそれぞれ独特の味があって、全然あきることがありません。この「こうもり」は普通全部ドイツ語で歌われますし、途中での会話部分(レチタティーヴォ)もドイツ語が普通だと思われますが、このドミンゴの盤では、ロザリンデは英語圏のニュージーランド人ということとロンドンでの公演ということだからと思うのですが英語で話しています。通常はドイツ語で、ロザリンデは英語で、オルロフスキー公爵は一部ロシア語で、またフランス語も混じってなどなかなかそれらを聞いているだけでも楽しくなってしまいます。
ここに出てくる役者は本当にうまい人ばかりで、オペラの有名な一流歌手なんていうのは喜劇役者としても一流なんだな?と感心しまくりです。ヘルマン・プライはドイツリートの第一人者ですが、何とひょうきんで魅力的な人かと思いまたまた他のいろんなオペラでの演技も見てみたくなるのが困りものです。。
第2幕がこの「こうもり」の圧巻ですが、途中でゲスト出演があります。この時にもヘルマン・プライが特別演技をしますが、そのときに指揮者のドミンゴに向かって「ドミンゴ親分・・」と声をかけるあたりは最高で、観衆みんな大笑いで、ドミンゴも苦笑してしまいます。本当に心がわかりあえる最高の歌手どおしの認め合いといったところで、素晴らしいです。またその後ではシャンソンのシャルル・アズナブールが特別出演するなど、ショーはこれでもかこれでもかといわんばかりに延々と続きます。時を忘れて熱中できるのは不思議なくらいです。
このDVDは何と3幕で177分もの長さです。それが片面2層1枚のDVDにおさまるのですからたいしたものですし、合いがたい時代ですね。私などSPの手回しの重いレコードを何枚も何枚もかけかえて聞いていたことを思うと夢のような時代です(年寄りですね?)。

やっと手に入れた「椿姫」

連休中皆さんいかがお過ごしですか?
私はこのところオペラと英語に凝っていますが、オペラもいろんな解説書を見ていますと、お薦めのDVDやビデオなどが色々紹介されていて、ついそれらが次々にほしくなってしまいます。
有名な「カルメン」や「椿姫(La Traviata)」などは一度見ると、別のオペラ劇場の別の配役のものを見てみたいと思うようになってきて、どれもこれも欲しくなってきます。
歌手や演出家によって、同じ演題でも全くちがった印象になってきますのでこの聞き比べは何よりの楽しみになってきます。
この連休での最大の収穫は、前のページでも紹介し、どの本を読んでも、またインターネットのどのサイトでも「初めてこのオペラを見て感動しました。」とか「この映画を見てオペラにはまってしまいました」など評判がものすごく良いのと、映画版であるために無体の臨場感や、アンコールなどの掛け合いはないのですが、オペラを見比べるという意味でも一度は見てみたいと思っていた、ストラータスのビオレッタ、ドミンゴのアルフレード、レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団/メトロポリタン歌劇場合唱団 、フランコ・ゼッフィレッリの監督・脚本・美術 版の「椿姫(La Traviata)」がやっと手に入ったことです。
椿姫どうしても一度は見てみたい。これを見ないとオペラは始まらない。などと持っていたのですが、もう絶版で、インターネットで必死に探しても、もう日本国内ではないものとあきらめていました。
しかし、ふと思いついて別に「日本語の字幕がなくてもいいのでは」と思いつき、アメリカのamazonで検索してみますと、やっと見つかったのです。よくインターネットにアップされているパッケージとは違いますが間違いなくシトラータス、ドミンゴ出演のゼッフェレッリ演出版です。
色々考えたのですがDVDはリージョンコードが違うので一旦コピーしなくてはならず、VHSはNTSCなら日本でもそのまま見られますので手軽だと重いVHSを購入することにしました。購入金額は約5ドル、送料も5ドルで合計でも1200円ほどで格安です。到着も安い送料だし1200円ほどの安物だから2週間ほどを覚悟していたのですが、なんと29日に頼んで、5月の3日には着いてしまいました。良心的な販売会社で感激しました。
前回のご紹介では、ゲオルギューの「椿姫」も素晴らしいことをご紹介しましたが、夜会の豪華さと、また第二幕目のパリ郊外での田舎生活はやはり映画ならではの野外ロケだけあってたいしたものです.
この「椿姫」にはほとほと感動しました。
特に随所に見られる光をうまく取り入れた演出の見事さと、シーンが淡い光でオーバーラップする様はほんとうに美しいです。
時間を忘れてこの映画に浸ることが出来ます。
しかし、古い録画のせいとストラータスの歌は最高のものではないのが玉に瑕ですが、それを補ってまだ余りあるほどの美しい映像です。
私の保存版として末永く愛蔵するつもりです。

オペレッタ「こうもり」は最高ですね!

日曜日は楽しみの休みなので、待ち遠しくためておいたオペラのDVDを見ることにしました。
昔はオペラなど退屈そうで、時間はかかるしどどこが面白いんだろうと思って敬遠していたのですが、「冬のソナタ」「チャングムの誓い」など韓国ドラマほどではありませんが、結構はまってしまいます。
見出すと役者を見る楽しみあり、有名なアリアの楽しみあり、衣装や舞台の豪華さや美しさの楽しみありなどなかなかものです。

まずは「椿姫」です。この作品の原作は「椿姫」だそうですが、オペラになって「ラ・トラビアータ」という名前がつけられたたのだそうです。このトラビアータの意味は「迷う、まちがう、堕落する」などの意味なのだそうです。しかし、みんな椿姫と呼んでいますので、その名前の方が有名ですね。
私の持っているDVDは1994年12月収録のショルティー指揮の、コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラでのライブです。アンジェラ・ゲオルギューのヴィオレッタはさすがに美人で、この薄幸のヒロインには最適ですが、私にはすこし可愛らしさと歌にもやわらかさがほしいように思えました。1幕2幕の衣装はたいへん豪華でよく似合っていて美しさに輝いています。
このオペラの曲は、前奏の時から有名な、なじみのあるメロディーが次から次へと出てくるのでたいへん楽しめます。
「乾杯の歌」やヴィオレッタの「ああ,そはかの人か…花から花へ」など有名なアリアもこの場面でこんな風に歌われるのかというのがわかると、いっそう感情移入が行われて、胸をゆり動かされるような感動と快感に酔うことが出来ます。
特にアルフレード役のフランク・ロパードはもみあげが特徴的で面白く、また顔つきといい、姿かっこうといい、仕草としい、私の勤務する会社の社員にそっくりなので、そのキャラクターがオーバーラップし、自然に笑えてきますし見ていてあきがきません。本当に楽しめる配役です。引く手あまたの高級娼婦をものにするという意味でのジゴロぶりというのにはちょっと違うかなという気がしますが、それだけにアクや嫌味がなく、純朴で、ヴィオレッタ一筋に愛しつくす男という意味では適役なのかもしれません。
第2幕のパリ郊外における田舎生活の場面は、ちょっと寒々とした感じで、期待とはちがったものでした。映画で有名なヴィオレッタ…ストラータス、アルフレード…ドミンゴのメトロポリタンのDVDの評では「第2幕の冒頭でヴィオレッタが花を摘んだりボートに乗ったり川に落ちたり、生き生きと田舎での生活を満喫している場面。胸がキュンとするほどの愛くるしさ!」と書かれており、なんとも魅力的な映像だと思えるのですが、ここらあたりが舞台のオペラの短所でもあるのでしょう。しかし、そういった舞台の設定の限界はあるもののなかなか迫力がある楽しめるものです。
(このストラータスとドミンゴの椿姫が欲しくて探し回っているのですが、絶版でどこにも在庫がなく、中古品もないので、もし購入できる方法をご存知の方がおられましたらご紹介いただけますとありがたいです。・・・その後やっとアメリカのamazonで購入することができました。こちらも評判どおりに最高です。オペラを始めて見るにはこちらの方が入りやすいかもしれません)
また立て続けにヨハンシュトラウス2世の喜歌劇「こうもり」を見ました。
このこうもりは、カルロス・クライバー指揮のバイエルン国立管弦楽団、バイエルン国立歌劇場バレエ・合唱団のもので、このクラーバーの「こうもり」は絶品であるとどこの評にも書いてあるので、何とかインターネットで探しつくして購入したものです。
クライバーの指揮ぶりはたいへん楽しく最高の出来です。クライバーは難しい人で、気が向かないとキャンセルしたりたいへんなのだそうです。しかし、それだけにどんな舞台でもまず間違いなく素晴らしい指揮をするのもクライバーです。また一昨年惜しくもクライバーは亡くなってしまいましたがそれまでは、正月のこうもりは絶対にクライバー以外には振らせなかったのだといいます。これは聴衆者と楽団員の堅い結束によって守られている不文律だそうなので、それから考えてもこのバイエルンのこうもりの素晴らしさがわかろうものです。
いきなり前奏曲から私の好きな、なじみのワルツが始まりましたが、わたしはこの曲が「こうもり」の曲とは知らず、また「こうもり」なんて何と「変な名前のオペラだな」などと思っていましたので、これが「こうもり」なのかと感動してしまいました。
喜歌劇というだけあって時間を忘れるほど楽しめるのは素晴らしいことです。特に2幕目はこれでもかこれでもかというほど楽しいショーが連続しますので最高に楽しめます。
特に夜会を主催するロシアのオルロフスキー侯爵が出てきますが、はじめは随分背の低い男性だと思っていたのですが、歌を聞くと(アルトだそうです)女性だとわかって納得しました。昔よく見に行った宝塚歌劇のような雰囲気です。それはそれで独特の仕草があって楽しめます。
フィガロの結婚のケルビーノも女性の男役でたいへん魅力的で、いろんなケルビーノを見てみたいという気にさせますが、このオルロフスキー侯爵もカウンターテナーの男性が演じることもあるそうで、そのキャラクターの違いを比べてみるのも今後の楽しみですね。

モーツァルト「魔笛」いろいろ

VDレコーダーを購入し、あまりにも使い勝手が良く、また、新年早々にはモーツアルト特集を連続でやっていましたので、これ幸いと予約して録画を続けました。
高校の音楽の時間ではトスカの「星も光りぬ」が学期試験の課題となってイタリア語で覚えたりしたこともあり、アリアにはたいへん興味はあったのですが、CDでオペラの抜粋やアリア集などはたまに聞いたりしてはいたものの、オペラはやはりその映像と一緒でなければ実感が出ないという思いをいつもしていました。いつかは舞台を見てみたいという強い希望は持っていたものの近寄り難い存在でした。
また昔はビデオやDVDなどの購入は高価でなかなか手が出なかったのですが、オペラのDVDも3000円程度の廉価版もたくさん出るようになって(そのためかすぐに売り切れてしまうようですが・・)たいへん身近なものになりました。
 オペラを聴くには時間がかかるため、なかなか根性がいりますので、新年に録画したモーツアルトのオペラの中でも、まず一番なじみのある「魔笛」から聴くことにしました。
 BSで放映していたのは、コリン・デーヴィス指揮、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団・合唱団のものでした。この魔笛ではパパゲーノの衣装はたいへんおとなしい野良着風のもので、鳥の帽子をかぶっているだけです。このパパゲーノはサイモン・キーンリーサイドというバリトン歌手で、なかなか声量のある実力のある歌手のように思えました。魔笛はドイツ語でのオペラということもあって他の配役は全部ドイツ人なのですが、このパパゲーノ役のキーンリーサイドだけが英国人とのことです。パミーナは可愛らしさが今ひとつで、ちょっと残念かななどと思ったり・・・。
 そもそも魔笛を見たのは20年ほど前、スウェーデンの映画監督ベルイマンの映画版に興味を持って、ビデオで見たのが一番初めで強烈な印象を受けたのですが、その他に、この正月からメトロポリタン歌劇場でのレヴァイン指揮の「魔笛」、さらには芸術監督がロルフ・リーバ?マン、ホルスト・シュタイン指揮、ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団・合唱団晩のDVDを、ディズニー映画のように美しいエディット・マティスのパミーナ、最も好きなバリトン歌手フィシャーディスカウが弁者をやっているという言葉につられて購入し、魔笛については現在手持ちのコレクションが3つになりました(ベルイマンのビデオは紛失したままです)。

 これらを見比べてみると、同じ「魔笛」でも演出や配役によって随分違うものだなと感じます。また舞台の演出によってもガラッと違うのでそれぞれ見比べてみるのがたいへん楽しいものだということがわかりました。
 これらを比べてみて、一番印象が強いのは夜の女王です。「夜の女王の歌を歌いたくてオペラ歌手になった」という女性歌手がたいへん多いということですが、確かに夜の女王が歌う2曲の歌は絶対にそのときの印象は忘れられないほど強烈なものです。その中でもDVDの表紙にもなっているだけあって、BSで放映されたコヴェントガーデンでのディアーナ・ダムラウの夜の女王は圧巻でした。三日月を背景にして、ものすごい迫力で、高音の伸びも素晴らしく、いかにも魔女といった感じの強烈さが素晴らしいく、あまりにも強烈なので夢にも出てきそうです。
 また魔笛としてはフリーメーソンの儀式に従った魂の成長物語として素晴らしいのはもちろんですが、私がこの魔笛で何より感心し、好きになったのはパミーナを我が物にしようとするモノスタトスです。このモノスタトスの描き方も三者三様ですが、一番魅力的で忘れられないほどのインパクトのあるのはBS放映のエイドリアン・トンプソンが演じるモノスタトスです。悪役であるのにもかかわらず、全くにくめない、逆に一所懸命パミーナを愛するひたむきな可愛らしさが何ともいえない味をかもし出しているように思えます。気絶しているパミーナを襲おうとして「お月さん、目を閉じてくだせぇ ・・・」と歌うあたりは最高ですね。その他のDVDでは何とも醜悪な悪漢ぶりであったりして、特にハンブルグフィルのDVD版でのモノスタトスは気持ちが悪かったりしますので、モノスタトスに関しては、いまひとつかと思っています。
このように「魔笛」はたくさんDVDも出ていますし、視聴データもhttp://www.ne.jp/asahi/sayuri/home/music/magicdata.htmに紹介されています。私もこのデータはDVDを選ぶのにたいへん参考にさせていただきました。もっとたくさんの「魔笛」を聞き比べる楽しみが増えました。

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