魔笛の映画を見ました。
先週の金曜日17日は前から見たいと思っていましたモーツァルトの「魔笛」が映画化され、岡山でも上演されているということで、見に行ってきました。
その前週の土曜日に行くつもりでいたところ、映画館の上映時間を調べましたら10時45分から毎日1回しか上映していないことがわかり、毎日1回の映画館など初めての経験だったのと、もう上映打ち切り間近で、ウィークエンドに見に行く機会がないことでちょっと落胆していました。
しかし、この機会を逃すともう2度と映画館では見られないのではないかと思い、思い切って最終日の17日に夏休みをとって夫婦同伴で見に行ったわけです。
始めは舞台が第一次世界大戦であり、どんな風にケネス・プラナー監督が難しい魔笛を料理しているのか、ちょっと楽しみでもあり、心配でもあったのですが、結論として、今までにDVDなどで見たものより一番良いとも言えるぐらいの迫力と仕上がりで、わざわざ休みを取ってみた甲斐があるというくらいに感動しました。
もともと魔笛の筋はストーリー的には不可解な部分があるもので、そのようなことは気にせずに、全編美しいメロディーにあふれたミュージカル映画として割り切るのが大切で、そういう目で見ていると、本当に楽しめる素晴らしいものです。
音楽、また随所の美しい光と色が織り成すシーンも素晴らしく、これでもか、これでもかという音楽、映像の連続で、冗長すぎて退屈するというひまもないくらいに楽しむことが出来ました。
どんなに良いオペラ作品などでも、途中には退屈するようなメロディーなどがあるものですが、魔笛だけはどうしてこんなに切れ目なく美しいメロディーが連続してあふれてくるのだろうと、改めてモーツァルトの偉大さに敬意を表さずにはいられません。
俳優はオペラ歌手を配しているようですが、あまり新しい歌手を知らない私にはなじみのない方ばかりでした。しかし、ザラストロ役のルネ・パーペの顔は、2006年のザルツブルグ音楽祭の特集で、「ドンジョバンニ」の「カタログの歌」を歌っているのを何度も見ていましたのでたいへん親しみやすい気がしました。ルネ・バーべはオペラの舞台ではなく、コンサートの歌手として歌っていたのですが、この映画の方が歌もうまく、低音の迫力が一段映えているような気がしましたし、また非常に落ち着きのある、また素晴らしい人格者のザラストロ役をうまく演じていたと思います。
この映画を見て一番感動したのは、この魔笛のメッセージが、まさに今の現在に必要としていることであり、モーツァルトが今日の世界的状況を透視して、まさに我々のために創ったのではないかという思いに至らせてくれたことです。
2012年に至るまでのまさにこの時期は、精神の高みに上るため、そしてパラダイムシフトを経験せざるをえない、何万年に1回の大切な時期ですが、この今こそ、この魔笛に描かれた試練を通過し、新しい精神世界に脱皮しなければならない時期なのだということを実感させてくれるものでした。。
この映画もみにシアター系の映画としてかなりヒットしているようですが、この映画を通して改めてモーツァルトの偉大さと魅力に、そして「魔笛」を好きになって愛と平和がかけがえのないことにたくさんの人が実感してくれるようになれば素晴らしい世の中になるでしょう。
何とかそうなって欲しいものですね。
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