再び・こうもり-すべてはシャンパンの泡のいたずらー
本やインターネットなどでDVDの鑑賞評などを見ていますと、どれも見たくなるオペラばかりでついつい注文したくなります。
最近は昔のLPレコードをジャケットとか帯とかを含めて、CDに復刻しているものが次々発売されているそうで、奥さんには内緒で注文してはそれをながめてひとり悦に入っているという同じ会社の社員がいますが、その気持ちがわかるような気がします。この間も一緒に仕事で一泊したのですが、家族に電話をしているのを聞いていますと、留守中にCDか何かが送られてきているようで、家族から何かと聞かれて「おとうさんのだから、空けずにそのまま置いておくように・・」とあせって命令していました。
私も全く同じ状態で、次々とインターネットで注文したDVDやビデオが届くので、「また何か来たよ」と家内は心配しています。オペラのDVDなども、昔はLD(レーザーディスク)で画像入り映像として発売されたものが初めで、そのころは画期的な鑑賞媒体であったようです。
今のDVDも、そのころのLDがが復刻されたり、限定版として再度発売さされたりしているものがほとんどのようですが、昔のLDはLPレコード版のようなレーザーディスクで、一枚60分程度しか入らなかったようで、オペラは2時間や3時間というのが普通ですから2枚3枚と必要であったでしょうし、値段も1万数千円というのが相場であったようです。そんなに高いものですとそうそう購入することもできません。しかし、今はDVDでも6千円程度が高い方で、3千円程度の安いものがたくさん発売されているのでたいへん便利になったものです。またレーザーディスクではコピーするのが面倒ですが、DVDはコピーが簡単にできるのはありがたいことですね(コピーといっても、もちろん用途はいざというときのバックアップ用ですが・・・・)。
さて、ほしいものが続出して困っていますが、前に一度カルロス・クライバーの「こうもり」の楽しさについて書きましたが、同じ「こうもり」で何とテノールのドミンゴが指揮をしたロンドンのコヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウスでの録画ものがあるとのことでした。これは主役のアイゼンシュタインがヘルマン・プライ、ロザリンデがキリ・テ・カナワという私がもっとも好きな最高のキャストで、こんなに素晴らしい配役のものはなかなか聞けないのと、ドミンゴが役者の演技につられて自ら歌いだしてしまうという場面もあったりということで、またまたどうしてほしくなってしまいました。インターネットでちょうど2枚セットで買うと3、100円という出物があったのですぐさま売り切れないうちに購入してしまいました。
この「こうもり」もクライバー盤に勝るとも劣らずすばらしいもので、同じ「こうもり」といってもそれぞれ独特の味があって、全然あきることがありません。この「こうもり」は普通全部ドイツ語で歌われますし、途中での会話部分(レチタティーヴォ)もドイツ語が普通だと思われますが、このドミンゴの盤では、ロザリンデは英語圏のニュージーランド人ということとロンドンでの公演ということだからと思うのですが英語で話しています。通常はドイツ語で、ロザリンデは英語で、オルロフスキー公爵は一部ロシア語で、またフランス語も混じってなどなかなかそれらを聞いているだけでも楽しくなってしまいます。
ここに出てくる役者は本当にうまい人ばかりで、オペラの有名な一流歌手なんていうのは喜劇役者としても一流なんだな?と感心しまくりです。ヘルマン・プライはドイツリートの第一人者ですが、何とひょうきんで魅力的な人かと思いまたまた他のいろんなオペラでの演技も見てみたくなるのが困りものです。。
第2幕がこの「こうもり」の圧巻ですが、途中でゲスト出演があります。この時にもヘルマン・プライが特別演技をしますが、そのときに指揮者のドミンゴに向かって「ドミンゴ親分・・」と声をかけるあたりは最高で、観衆みんな大笑いで、ドミンゴも苦笑してしまいます。本当に心がわかりあえる最高の歌手どおしの認め合いといったところで、素晴らしいです。またその後ではシャンソンのシャルル・アズナブールが特別出演するなど、ショーはこれでもかこれでもかといわんばかりに延々と続きます。時を忘れて熱中できるのは不思議なくらいです。
このDVDは何と3幕で177分もの長さです。それが片面2層1枚のDVDにおさまるのですからたいしたものですし、合いがたい時代ですね。私などSPの手回しの重いレコードを何枚も何枚もかけかえて聞いていたことを思うと夢のような時代です(年寄りですね?)。
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